今回は「岳」。山岳救助に従事する主人公・三歩(さんぽ)。仕事を通じ、山の楽しさと厳しさを伝える作品です。
この作品も大好きな作品で、今回改めて読み返したところ、ボロボロに泣きました。2024年11月にインドに行ったんだけど、その間ずっと読んでずっと泣いていました。
特に好きな話は8巻 第3歩の「ひとりの山」。単独登山者である高齢の女性の話です。2008年頃読んだ時も「こんな素敵な人になりたいな」と思ったけど、私自身が40歳を過ぎた今はさらに憧れが増しました。
「岳」は厳しい山の事件を描いていながらも、作品で謳われるのは「生きる」ということのすばらしさ。特に年を重ねた人たちの描写が素晴らしいです。3巻 第4歩「乾杯」も大好きです。おじさん達のロマンがぎゅっとつまっている。最後から2ページ目の「乾杯!」のシーンは極上。おじさんのちょっと猫背な感じとか、すっごいリアルなんですよね。
最終巻の描かれ方は物議を醸しましたが、それだけ山の恐ろしさを感じる作品でした。