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11回目では、ずっと読みたかった作品「昭和元禄落語心中」を紹介しました。
主人公の与太郎は、刑務所から出たその足で落語家の有楽亭八雲の元に弟子入りする。
与太郎が狂言回しとなり、八雲を取り巻く人たちの複雑な過去が明らかになっていく物語。
第17回文化庁メディア芸術祭マンガ部門の受賞作で、この賞に憧れていた私は2013年に手に取っていたのでした。その時は全て読んでおらず、この連載を期に全巻を読み通しました。
なんで今まで読んでこなかったんだろう…!!と後悔するレベルで大好きな作品となりました。落語の語り口のリズムの小気味よさもさることながら、雲田先生の描線の美しさが素晴らしく、流れるような線で描かれる落語シーンは、マンガ表現の最高峰とさえ感じます。
一人一人のキャラクターの心理が丁寧に描かれています。特に人間嫌いの八雲の描き方は、若い時も歳を重ねた時も、実在の人物かのようなリアルさがあります。雲田先生の作品のヒトクセあるキャラ達、とても魅力的です。特に性格の悪いおじさんキャラが好き。でも一番好きなのは、主人公の与太郎です。芝犬みたいでかわいい。
夏目漱石「こころ」のように、こじれまくった人間関係とその原因となった過去の出来事を明らかにしていくミステリー仕立て。その合間に落語シーンがはさまり、テンポよく進んでいきます。
まんがるゥのこれも学習マンガだ! NAVI
「学習目的」で制作されたわけではないけれど、読んでいくと自然に知識が身につくマンガを紹介していきます。
vol.10 「ナニワ金融道」(青木雄二)

vol.9 「ツレがうつになりまして。」(細川貂々)

vol.8 「凍りの掌」(おざわゆき)

vol.7 「ブッダ」(手塚治虫)

vol.6 「サトコとナダ」(ユペチカ)

vol.5 「ミノタウロスの皿」(藤子・F・不二雄)

vol.4 「岳」(石塚真一)

vol.3 「チェーザレ 破壊の創造者」(惣領冬実)

vol.2 「寄生獣」(岩明均)

vol.1 「ヴィンランド・サガ」(雪村誠)
