みらい館大明(池袋)さんとコラボして行っている「世界とつながる料理教室」。講師はキルギス料理研究家で『食の宝庫キルギス』の著者・先崎将弘さん。
[template id=”546″]キルギスについてのレクチャー
中央アジアに位置するキルギスについて、先崎さんからお話しがありました。
遊牧民族と定住民族が住むキルギス。小さい国土の中に、さまざまな食文化があります。
移動式住居(ユルタ)に住む遊牧民。ソ連時代に定住化の政策がとられたため、現在は夏はユルタ、冬は家に住むようなライフスタイルが一般的。
日本人とキルギス人は顔が似ており、『肉が好きなものは西に行ってキルギスへ、魚が好きなものは東に行って日本へ』という伝説が信じられています。
食べているものは、羊•牛•馬などの肉料理。乳製品。小麦など農産物(交易品)
家畜は財産なので、肉はごちそう。冬に間引きを行い、冬に腸詰などして保存食とする。肉を長く煮込んで、やわらかくし、ダシをしっかり出し、においを減らす。肉を美味しく食べる技術を、キルギスの人は大切にしています。
乳製品について、カイマックを紹介。
セパレーターで牛乳の乳脂肪分を取り出し、カイマックにする。
カイマックを加熱し、保存が効くようにしたものがサル•マイ(黄色い油)、チュボコ。
アイラン(ヨーグルト)、アイランを脱水したものがスズメ(水切りヨーグルト)。スズメを加熱、塩を加え、成形して天日乾燥したものがクルト。
小麦粉を使った料理としては、ベシュバルマク、ボルソック。
質問タイムでは、活発でかなりディープな質問がされました。先崎先生は、それに一つ一つ明確に答えられていました。知識量がすごい。
ボルソックを作る!
小麦粉で作った生地を2センチ角に切り、油で揚げていきます。すぐにふくらみ、数十秒で揚がるので、焦がさないように注意。
揚げている人たちから「かわいい!」という声が上がっていたのが印象的でした。
左側のキャラクターは、カザフスタンのバウルサッ君だそうです。
いざキルギスのボルソックを実食
小麦粉でできたシンプルな揚げパン、ボルソック。
見た目はおかきみたいで、食べてみるとふわっとやわらかく、素朴な美味しさながらあとを引く味。ついパクパクと食べているうちに、あっという間になくなりました。
キルギスでは小麦粉を交易によって手に入れるため、特別なハレの日の食材。
小麦粉を使って作るボルソックはお客さんをもてなすための料理で、机の上にたくさん散らばせる流儀なのだそう。
なんと50キロの小麦粉を使うこともあるそうです。キルギスの人がお客さんをいかに大事にしているかがわかるエピソードでした。
世界とつながる料理教室について
みらい館大明(池袋)と、池ブルックリンが共同で行っている料理イベント。
外国人居住率の高い豊島区で、外国の文化を知ってもらうきっかけになればと2018年から始まったイベントです。
隔月(奇数月)に開催しています。
次回はオーストリア料理!
5月25日10:00~14:00 オーストリア料理研究家の山本舞さんに、オーストリア家庭料理を習います!詳細は後日発表予定。お楽しみに。